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      ケムの日々是好日

      ケムの日々是好日

911より怖い?

<<困り果てたアメリカのお父さん>>


ト ム: 父さん、テロリストってなーに?

父さん: オックスフォード版辞典によると
    「テロリストとは、政治的目的を達成するために暴力や脅迫行為をする人」と書いてある。
    つまりテロリストは悪い奴で、自分の目的のために我々のような普通の人を脅したり、
    時には殺しもするんだ。

ト ム: 何故人殺しをするの?

父さん: それは彼等が特定の人やその国を憎むからさ。
    何故憎むか簡単に説明できないが、まあ、それが現実なのさ。
    この世の中はいろいろな理由で憎しみ合うものさ。

ト ム: ちょうど今のイラク人のように人を捕まえて、占領軍がイラクから出てゆかないと殺すぞ
    と言うようなこと?

父さん: その通り!ブラックメイル(脅迫)だ。
    罪のない人を人質にとり、もしお前が俺の言うことを聞かなければ人質を殺すぞ!と言うやつだ。

ト ム: そうすると、アメリカがイラクに、もし大量破壊兵器を出さないと攻撃を掛けて罪の無い
    イラク国民を殺すぞ、と言うのはブラックメイルじゃないの?

父さん: いいやちがうよ、いやそういうことにもなるかな?
    アメリカがやったのは「最後通告」と呼ばれる「善意の脅迫」なんだ。

ト ム: 善意の脅迫って何なの?

父さん: 正しい理由があるときの脅迫だよ。
    イラクの大量破壊兵器は大変危険なもので世界に脅威を与えるものだ。
    だからそれを見つけて破壊する必要があったのだよ。

ト ム: でもイラクに大量破壊兵器は無かったじゃない?

父さん: その通りだ。
    でもいまこそ無いことがわかったが、あの時は無いことを知らなかったし、
    あると信じていたんだよ。

ト ム: じゃ、アメリカがイラクの罪の無い人たちを殺したのはMistake(誤り)だったの?

父さん: いいや、間違いではなく、悲劇だったのだよ。
    でもアメリカは多くの人の命を救ったんだよ。
    アメリカはサダム・フセインという残忍な大統領が多くの罪の無いイラク人を殺すのを
    止めたんだ。
    アメリカがイラクを占領するまではサダム・フセインは何千人も殺したり大怪我を
    させてきたんだ。

ト ム: アメリカのイラク空爆でボクみたいな子供の腕がすっ飛んだのをテレビで見たけど、
    あんな風にサダム・フセインもしたの?

父さん: そうだ。

ト ム: じゃ、何万人の罪もないイラク人を殺したアメリカのリーダーもテロリストじゃないか?

父さん: とんでもないことだ。何でそんな風に思えるのかな。
    あれは事故なんだよ。事故で怪我をしたり死んだんだ。不幸な戦争中の 事故なんだよ。
    町に爆弾が落ちれば事故が起きるのは仕方が無いことだよ。
    誰も事故など望まないけど、まあ、「それが現実なんだよ」。

ト ム: じゃ、戦争では兵隊さんは殺されてもいいの?

父さん: 兵隊さんはお国のために戦うように訓練されているんだよ。それが仕事でみんな勇敢だ。
    兵隊さんは戦争では自分たちの命に危険が起きることははじめから知っているんだ。
    ひとたび軍服を着ると敵のターゲットになるからね。

ト ム: テロリストは軍服を着るの?

父さん: それが問題なのさ。軍服を着ないんだよ。
    一般の国民と区別ができなくてアメリカは誰と戦っているのかわからない。
    だから多くの犠牲者を出てしまうのさ。テロリストは戦争のルールに従わないんだよ。

ト ム: 戦争にルールがあるの?

父さん: あるさ。兵隊は軍服を着ること。いきなり攻めてはいけないこと。
    前もって通告してくれば防御が出来るからね。

ト ム: じゃ、アメリカはイラクから通告があったり、攻撃してきたから防戦したの?

父さん: いいや、イラクはアメリカを攻撃しなかったが、攻撃する可能性はあった。
    アメリカはイラクが攻める前に先制攻撃をかけたまでだ。

ト ム: でも、大量破壊兵器なんて無かったし、はじめからアメリカの危険は無かったんだから
    アメリカは戦争のルールに違反したんじゃないの?

父さん: 確かにそういうことになるね。

ト ム: アメリカが戦争のルールを破ったのなら、イラクのテロリストがルールを破って
    軍服を着なくても文句は言えないんじゃないの?

父さん: ちょっと違うな。アメリカはルールを破ってもやっていることは正しいんだ。

ト ム: じゃ、アメリカが正しいことをしているってどうして分かるの?

父さん: ブッシュ大統領が正しいと言うからさ。
    もし大統領が正しいかどうかわからなかったら一体誰に分かるというのだ。
    大統領はイラクをよりよい国にすると言っているんだ。

ト ム: よりよい国ってどういうこと?

父さん: 父さんにはわからないね。
    まだ罪無き人々が殺されたり人質事件が頻繁におきてるからね。
    被害者の家族は気の毒だ。
    だからこそアメリカはしっかりとテロリストに立ち向かわなくてはならないのだ。

ト ム: もしボクが人質になっても、父さんはアメリカがテロリストに
    立ち向かうのに賛成するの?

父さん: いやあ、難しいな。

ト ム: じゃ、父さんはボクが殺されてもいいの?ボクを愛してないの?

父さん: 愛しているさ。複雑な問題だ。父さんはどうしていいかわからないな。

ト ム: もし誰かがボクたちの家に爆弾を投げつけて、父さん、母さん、ジェニー(弟)を
    殺したらボクはどうするかわかっているけど。

父さん: どうするんだ。

ト ム: ボクは必ずどこのどいつか見つけだし、そいつを永遠に憎んでやる。
    そしてボクは飛行機に乗ってそいつの居る町に爆弾を落としてやる!

父さん: でもお前は多くの罪亡き人を殺すことになるよ。

ト ム: わかっているよ。
    戦争だよ、父さん。「それが現実なんだよ」と父さん言ったじゃないか。

                   (*Foreign Policy誌より抜粋)


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